もし序章からこの回までお読みくださった方がいらっしゃれば、まずは御礼申し上げます。

ここまで振返った2024年入試ですが、「ノンフィクション。所によりフィクション」という形で書き連ねてきました。フィクションの部分は?と聞かれれば、まず名前。「みっしぇる(筆者)」以外は仮名です。あと細かなやり取りはブログの性質上、もちろん一部創作です。あと「みっしぇる」の人格もフィクションです。というよりも「理想」。実物はもうちょっとクセが強いかもしれませんね。

今回、三人の受験生を題材に振り返ってきましたが、彼ら彼女らのキャラクターや発言内容などはできるだけそのままに素材の味を活かすことに成功しました…たぶん。彼らは素直でひたむきで、「中学受験生」というのを除けばどこにでもいる小学生でした。残り期間一年を切ったタイミングで受験を決意、その中での準備は本当に大変だったと思います。塾側もそうでしたが彼ら三人は、それでもやりきりました。「普通の小学生が普通以上の努力をする」中学受験を持ち前の明るさと元気さでやり抜きました。最後は「何とかしてやりたい、受からせたい」と思わせる受験生の姿だったと思います。そこはまさにノンフィクション。

さて、実を言うと大きなフィクションの上に一連のお話は進んでいました。どうしてもこれは最後に記しておかなければなりません。それは「当初4人の受験だった」ということです。

つまり一人のお預かりしていた受験生を、最後この塾から卒業させられませんでした。その子は埼玉受験が始まる数週間前にこの塾を離れました。塾を離れた理由など詳細は書けませんが、最後の受験までみられなかったということは塾側にもやりようがまたあったのでしょう。塾として、他の三人同様全力を傾けたので後悔はありません。その後お会いしていませんが、その子も今の生活、今のソサエティを楽しんでいるかもしれません。もしかしたらそういう未練みたいな思いを、いまだ持っているのは自分だけなのかもしれません。同時に、そうであってほしいと願っています。

大手塾にいた時から受験に関する良い思い出、苦い思い出様々あります。いい思い出はすぐに消えます。味わった苦さをもち続けながら次の受験へとつなげていく、それが塾の仕事なのでしょう。受験生としては酸いも甘いも経験した「終わった受験」ですが塾の「終わらない受験」はまだまだ続いていきます。

「普通の小学生が普通以上の努力をする」-言ってしまえば簡単なことなのですが、それをつぶさに見ていると本当に大変な作業です。だからこそ、「やっただけの成長」を見せてくれるのですが。

今年も「もうちょっと」を追い求めながら2025年入試に向かっていけたらと思っています。