「現在、母の年齢は34才で娘の年齢は10歳です。母の年齢が子どもの年齢の3倍になるのは今から何年後ですか。」

こんにちは。みっしぇるです。めっきり秋っぽくなり、「あぁ…本番が近くなってきたなぁ…」そんな気持ちです。

さて、いきなり問題から入りました今回のブログ、【気づく】の重要性について記したいと思います。

上記問題は「年齢算」と呼ばれる文章題です。中学入試でもたまに【似た】問題を見ます。中学受験算数では5年生のどこかで習うことが多いようです(テキストによってばらつきはあります。プリントを使う某塾は4年後半だったかな?)。うちの塾では5年生秋口くらいに初出となります。そして自分の授業では最初に線分図(数直線という場合も)を描いて説明します。生徒にもまずは描かせます。これは例外なく、です。

「そんなことしなくても式だけでやれるでしょ?それから教えればいいじゃん」という声が聞こえて来そうです。確かにそうなんです。上記問題では母と娘の年齢差が24(⁼34-10)、また母も娘も一年に1歳年を取るので年齢のの割合が【母:娘=③:①】になるのは24が②(→③-①=34-10,②=24)になる時、つまり①(=娘の年齢)が12歳(=24÷②)になった時になります。したがって「2年後(=12-10)」という風になります。

塾や個別指導の指導員によっては「その時の年齢差を割合の差で割ってあげればでるよ。だから現在の年齢差と割合の差に注目してあげれば大丈夫!」という結論だけを教えている場合もあるようです。式にするとこういうことです。

34-10=24…現在の年齢差

③‐①=②

24÷②=12…娘が12才になった時

12-10=2(年後)

ずいぶんさっぱりとできますね。それも一つのやり方だとは思います。パターンに当てはめて「要領」で解けるので便利は便利ですよね。

ただ、教えていると思うこともあるのです。そのやり方だと【この問題】はできても【派生問題】はどうか、ということです。例えば…

「現在、母の年齢は44才、兄の年齢は20才、私の年齢は16才です。母の年齢が兄と私の年齢の和に等しくなるのは何年後ですか。」

いかがでしょう。この問題を先ほどの「パターンに当てはめて解く」だと最初つまずきそうですね。なにぶん割合がないですから。ちなみにこの問題は以下の考え方で解けます。

20+16=36…兄と私の現在の年齢の和

44-36=8…母と年齢の和(=兄+私)の差

8÷2=4(年後)…答え

(ん?「2」ってどこから湧いて出たのさ?って思うかもしれませんが母は1年に1才、兄と私は1年に2才歳をとりますよね。つまり8才差を二人で解消するのは何年後?というのを式にしただけです。)

これも何問か解けばパターン化するでしょうし、機転の利く子はすぐ解けるのかもしれません。ただ多くの子は「数字」をみて「量」に変え、そしてそれを割合などに当てはめて考えることで答えを導き出します。つまりパターン化する前前必ず「理屈」と「理解」を要するのです。それを視覚的にヒントを作り出すのが図であり表だと考えます。またそれを描くことで「あっ、②って具体的にはこの数なんだ!」「8の年の差を2人(兄+私)で解消するんだ!」と【気づく】を促せるのだと思います。

図表やグラフを描く・使える子はそののち式だけでも解けるようになります(そこには裏打ちされた「理解」があるから)。そういう子には無理に「図を描きなさい」とはもう言いません。また、「図を描いた方が早い」と判断したら素直に描きます。つまり「図を使える子」とは一定の【気づいた】量が存在しているから描けるです。その【気づいた量】が大事だと思うので「まずは図を描いて」説明しますし、生徒たちにもそれを(理解できたと思うまで)求めます。

理科(たまに社会でも)の実験もそうですが算数の図解もゆくゆく「自分の手でヒントを作らなければいけない」小学生たちの【気づく】、その先にある【理解】に大きな作用を及ぼすものと思っています。

【気づく】の先に「できる」が待っています。

自分も子どもらを見てたくさんの【気づく】を得ていきたいなと思います。子どもらに負けずに。

みっしぇる