2026年4月。
第4期生の合格祝賀会。2026年入試も終わり、毎年のようにやってくる別れの時。でもそれが嬉しくて、楽しくて、やっぱりちょっと寂しい。卒業生たちは明日明後日にいよいよ迫った入学式に心とらわれているみたいだけど。
「ハイ写真撮るよー」
スタッフの掛け声で持っていたおかしをいったん置いてカメラに向かって笑顔を振りまく。かたやおしゃべりに夢中で。でも入学式の前に真新しい制服を汚さないかこっちがハラハラ。
今年の卒業生はレギュラー授業生・個別指導生合わせて8名。終わってしまえばあっという間の一年。その「あっという間」にいろんな物語りがあったなぁと思う。ちょうど一年前も全く同じことを考えた。2025年の、一年前の卒業生たちの想い出も少しずつ遠くなって-。
2025年2月5日。マコトの「受かりました!」の声とともに全て終わった第3期生たちの入試。いよいよ中学校では「先輩」としての役割が始まるよ。「しっかりね」。心の中でつぶやく。
授業中、難しい問題が出題された時にはいつもみんなに頼られていたマコト。
ムードメーカーで重い雰囲気の時にいつも突破口をひろげてきたオウガ。
唯一の女子でおっとりとした、でもどんな問題にも教えられた通りやってみようとするアキ。
塾では口数少なく大人しいが、おうちでは弁慶さまだったシュンサク。
最後に入塾してきたレオン。
みんなあの頃のままのはずないけど、変わらない笑い顔だといいな。
-目の前にいる卒業生が3期生なのか4期生なのか。一瞬よくわからず。でも今の塾の敷地だからきっと4期生たちなのだろう。そう思って、もう一度教室を見渡す。
笑っている顔。
ふざけあっている声。
少しだけ大人びた仕草。
でも、ふとした瞬間に、そこにいないはずの顔が混じる。
「あー!そのお菓子おれ食べようと思ってたのにー!」
振り向きそうになる。
その声は、たしかに聞いたことがある。
去年、何度も聞いた声。
でも、そこにいるのは4期生で。
一瞬だけ、時間がほどける。
同じ机。同じ黒板。彼らが居たのはあの小さな教室。
あそこで、マコトが問題を解いていた。
あそこで、オウガが笑わせていた。
あそこで、アキが何度も解き直していた。
あそこで、シュンサクがテキストを開いていた。
あそこで、レオンが何度も書いて覚えようとしていた。
そして今新しく移転した教室に4期生がいる。ちゃんと、重なっている。そしてもう「次」が始まっている。次の、第5期生たちの授業のあいま、ちょっとだけ一年前のあの子たちを思い出したんだ。