2025年9月。まだまだ日中は容赦なく太陽が照り付け、暑い。それでも朝夕は少ししのぎやすくなり、またそれまではセミたちの喧騒に代わり夜にはスズムシの声が響くようになった。
前から考えていたことだが、教室は10月に広さを求めて移転することにした。それを告知した時、生徒たちはまだ見ぬ新教室を想い、目を輝かせていた。さて自分はというと…昼の浅い時間には移転業務のため、業者の人たちに見積をとってもらったり新教室のレイアウトを考えたり。そして授業の質だけは落とせないのでその日の予習をしたり。そしてこの時期にはもう一仕事こなさなければならない。それが「受験相談」だ。
受験相談は1・2月の本番に向け、「どんな学校をどんな順番で受験し、こんなケースの場合はこういう風に進めましょう」というのを親御さんと面談し方向性を決めていくものだ。つまりは「受験のプランニング」である。うちの場合はそこに「志望校の傾向」と「本人の成績」また「思考」を勘案し提示する。模試の偏差数値だけを頼りに当てはめていくと見落としてしまうことがある。数値は参考にするが、絶対ではない。
そんなわけで割と一件一件を精査しながら「受験プラン」を組み立てていくのは重労働でもある。授業後、その作業を一部終えて涼しさを帯びた外でぼんやり。葉を少しずつ黄色に変えつつある教室前のイチョウを眺めながら。
「去年の受験相談もいろいろあったなぁ…。」
6年生の後期、「いろいろない」方が珍しいのに。その年その年でここからは【クレッシェンド】の季節に突入する。いろいろない方がおかしいんだ。それでも毎年、生徒たちは夏期講習で培った力を活かしてどんどん伸びる。「だんだん強く」。
さて、自分も残りの受験プランを考えよう。